「自己破産」とは、債務者が借金返済をすることが困難となった場合(支払不能)、裁判所に「破産申立書」を提出し、免責許可をもらうことで、残っている借金の返済を免除してもらう手続きのことです。
(養育費や税金などの非免責債権は除きます。)
破産申立をした時点より、債権者は給与を差し押さえる事が出来なくなり、また、弁護士にご依頼頂いた時点から、法律により借金の取り立ては出来なくなります。
自己破産を利用できる方
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※過去に破産している場合 7年以内に免責を受けている場合でも裁量により免責が認められることもあります。 |
自己破産の手続きには、「同時廃止」と「管財事件」の2種類があり、免責成立までの期間が異なります。
同時廃止または少額管財かは、「破産者に一定の財産があるかないか」で決まります。
ここでいう「一定の財産」とは「33万円以上の現金」「20万円以上の価値があるもの」となります。
「同時廃止」とは、破産申立人に一定の財産がない場合、かつ、免責についても破産管財人が調査をする必要がない場合に、破産手続開始決定と同時に破産管財人(弁護士など)を選任することなく破産手続を終了し、免責手続だけを行うという簡単な手続です。
同時廃止の場合、申立から3ヶ月〜4ヶ月程度で手続が終了します。
「少額管財」とは,破産申立人に一定の財産がある場合や免責不許可事由がある場合に、裁判所から選任される破産管財人(通常は弁護士)が財産や免責不許可事由の有無を調査する手続きのことです。
少額管財の場合には、同時廃止に比べ手続が複雑になり、終了までに6ヵ月程度の期間がかかります。
※免責不許可事由
免責不許可事由とは、自己破産をする方に以下のような事情がある場合は原則として免責を認めないというものです。
免責不許可事由があり,裁判所が免責を認めないと決定した場合には借金を支払う義務はなくなりません。
免責不許可事由がある場合でも、諸々の事情を考慮して,免責が許可される場合もあります。(裁量免責)
以下は免責不許可事由の一例です。
ご依頼から債務返済が免除されるまでの、自己破産手続きの流れについて説明します。
❶ 自己破産の受任
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ご依頼をいただきますと弁護士はまず「受任通知」をご依頼頂いた当日もしくは時間帯により翌日に該当の各貸金業者へ発送します。この時点で以後の取立・返済をストップさせます。
(弁護士介入以降、債権者が依頼者の方に直接取立を行うことは法律上禁止されてます)
❷ 法定金利への引き直し計算
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受任通知後、各貸金業者より取引開始時からの取引履歴を開示してもらい、法定金利への引き直し計算を行い、借金の合計額を改めて算出します。貸金業者から取引履歴が開示されるまでに受任から1~3ヵ月間かかります。
❸ 申立書類の準備
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依頼者の方に申立書類を必要な各種書類を準備していただきます。
依頼者の方から提出された資料をもとに、自己破産の申立書類を作成します。
❹ 自己破産の申立・面接
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弁護士が裁判所に破産手続きの申立を行います。
申立ての際、弁護士は裁判官と面接を行います。(依頼者の方が出頭する必要はありません)
❺ 破産手続開始決定
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裁判所から許可が下りると、破産手続きが開始されます。
手続きの方法には同時廃止と少額管財の2種類があり、それぞれで期間が異なります。
❻ 免責審尋
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弁護士と一緒に裁判所へ行き、裁判官と免責内容についての面接を行います。
❼ 免責許可決定と確定
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免責決定が確定すると、すべての借金を返済する義務がなくなります。
❻ 管財人面接
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即日面接から1〜2週間後に管財人の事務所等において、管財人面接を行います。
※弁護士同伴のもと,依頼者の方が出頭する必要があります。
❼ 債権者集会
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裁判所への申立から3~4ヵ月後に裁判所において、裁判官・破産管財人等とともに債権者集会が行われます。
※依頼者の方は弁護士同伴のもと出頭する必要があります。
❽ 免責許可決定と確定
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免責決定が確定すると、すべての借金を返済する義務がなくなります。
自己破産についての、よくあるご質問をまとめました。詳しくは、下記をご覧ください。
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自己破産したことが、戸籍や住民票に記載されることはありますか? 友人、知人に知られる心配はありませんか? |
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戸籍や住民票に記載されることはありませんので、ご安心ください。 官報という政府の発行する広報誌に、破産者の住所、氏名が掲載されますが、官報を一般の方が見る機会は少ないと思われますので、知られる可能性はかなり低いです、ご安心ください。 |
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ギャンブルで作ってしまった借金でも免責されるのか教えてください。 |
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自己破産をする方の免責不許可事由の内容や程度にもよりますが、家計状況等で更生した事実が見られ、手続きにも協力的であれば、免責が許可されています。 |
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自己破産をすると、資格が使えなくなると聞いたのですが? |
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弁護士や税理士、保険の外交員、警備員など一定の資格を持った職業については、手続き中は業務が制限されます。しかし、免責の決定が確定すれば復権しますので、ご安心下さい。 |